ジャズ演奏で一番重要なのは「聴いてマネする事」。
これは間違いありません。一番の近道です。
でも私の知人で「3曲も完全コピーしたのにアドリブ出来ない!」という人がいました。(少数派の事例かもしれませんが)
今回はこの不可思議な現象について、私なりに考察していこうと思います。
ジャズは、耳コピだけではアドリブが出来ない場合もある
コピーやっていますか? 私は毎日やっています。
でも私の場合、初めの3年くらいはコピーは殆どやっていませんでした。
自分なりのアドリブが出来るようになって「なんか自分のアドリブってしょぼいな~」と悩むようになってから、巨匠の演奏をマネするようになりました。
すると少しづつ自分のアドリブが改善されていったので、コピーはやはり重要ですね。
完コピしてもアドリブ出来ない人がいるのは何故か?
完コピや部分的な耳コピを続けて、ジャズアドリブが出来るようになる人も大勢いるとは思います。
でも出来ない人も実際いたので、今回はその考察です。
私の知人はクラシックピアノの経験者なので、指はかなり動きますし楽譜の理解力もずば抜けています。
でも、それでも自分のアドリブは出来なくて悩んでいました。
(やっている事は決して無駄にはなりませんが)
謎を解明する為に、とある仮説を作ってみました。
これから私なりの仮説をつづっていこうと思います。賛否あるとは思いますが温かい目で見て下さると幸いです。
で、その仮説なんですが、私が思うにジャズ演奏のコピーって「ハリウッド俳優の名演技」に例えられるんじゃないかなと思うんですね。
例えば英語の喋れない日本人が、ハリウッド映画で活躍するような俳優を目指すとします。
そこでいきなり、ハリウッド俳優の名台詞を何度も聴いてマネするとどうなるか?
かなり勉強になるとは思います。声のトーン、間の取り方、感情、表情、とか、一流の俳優だけが表現出来る演技ですからね。
でも……
それで英語の喋れない日本人が、アメリカで活躍するような俳優になれるわけではないと思うんですね。
当たり前ですけど。
まずは単語、文法、とかを覚えて会話出来るようにする
英語の喋れない日本人がアメリカで俳優を目指すなら、まずは英会話を勉強した方がいいと誰もが思うでしょう。
まずはアルファベットを覚える事から始めると思います。そして膨大な数の英単語を覚えます。さらに文法も大事ですよね。
そして英語で日常会話も出来るようになって、プロの演技をマネしたりして勉強するのがスムーズかと。
ジャズアドリブも同じ?
なのでジャズもまずは、自分なりの超簡単なアドリブフレーズを作る事から始めた方がいい場合もあると私は思います。人によってですけど。
(これが正しい!と主張したいのではなく、こんな方法もあるよという主張です)
ジャズのアドリブも地道なところからスタートします。スケールを覚えたり、コード音を覚えたり、音楽理論を覚えたり。
まぁこれだけではアドリブ出来ませんが、でもこれらをまず覚えないと先に進めません。英語でいう単語や文法を覚えるのと同じですね。
それで少しづつ「超簡単な自分なりのアドリブ」が出来るようになって来ます。英語に例えると日常会話なら普通に話せるよ!みたいな感じです。
そうなってから、今度は巨匠の演奏をマネするのがいいかと思います。
耳コピだけではアドリブが出来ない場合もある さいごに
私の知人は、高度な演奏テクニックを持っているがゆえに、アドリブに躓いてしまったのかもしれません。
でも完全コピーは決して無駄にならないですし、今後の大きな財産になるのは間違いないと思います。
巨匠のフレーズはアドリブ中に中々出せませんが、ノリであったりフィーリングであったり、そういった物が身に付いてアドリブに活かせます。
なので自分に合った練習方法の順番を見つけて、地道にやっていけばいいかと思います。
簡単なことから始めるのが一番ですね。ではでは!