今回はイパネマの娘のアナライズです。けっこう難しいですね。
初心者さんのうちは、まだ手を出さない方が無難かと思います。
では、使用スケールを簡単に書いておきますね。
「イパネマの娘」使用スケール Aセクション
F△7 → ファソラシ♭ドレミファ
G7 → ソラシド#レミファソ
Gm7 → ソラシ♭ドレミファソ
G♭7 → ソ♭・ラ♭・シ♭・ド・レ♭・ミ♭・ミ・ソ
最初はFのメジャーキーを使うのは間違いありませんね。
で、疑問は色々あるんですが、まずは3小節目の「G7」でしょう。
こういうのは大体「セカンダリー・ドミナント」なんですが、次が「C」だったら分かるんですよね。
でも次のコードはなぜか「Gm」です(笑)。
で、結論をいうと、6小節目の「G♭7」というのが実は「C7」の裏コードなんですね。
「C7」というのは、「Gm → C7」に分解可能。なので楽譜はそうなっています。
なので「Gm → C7」を「C7」と捉えると、「G7」の正体が分かりますよね。
つまり、「G7」というのは「C7(G♭7)」に向かう「セカンダリードミナント」というわけです。
ファイブワン進行じゃないので、ここはGリディアン♭7がいいでしょうね。
そして最初のうちは「G♭7」を「C7」だと思えば、かなり演奏もシンプルで分かりやすくなります。
G♭7で「リディアン♭7」を使うと、ガラッとアドリブが変わる
でも慣れたら、G♭7の所でリディアン♭7を使うのがお勧めです。
黒鍵が多くて何ともシャレオツな響きになるので、自分のアドリブが上手くなったように感じます(笑)。
リディアン♭7が弾きづらい!という人は、C7のオルタードフレーズを弾くのもおすすめ。これは慣れている人が多いでしょう。
「イパネマの娘」 Bセクション
イパネマはやはりBセクションからコード進行が難しいです。
なので分かりやすく書いておきますね。
意味不明なコード進行「G♭△7 → B7」
この曲はBセクションで転調します。最初のキーはおそらく「D♭」です。
「G♭△7」は普通にダイアトニックコード。Ⅳ(4番目)のサブドミナント。
で、問題は「B7」ですね。かなり自分的に謎でした。
これも多分ですが、いわゆる「借用和音」かなと思います。
本来「D♭」のダイアトニックコードには無いコードですよね。なのでこれは「D♭m」のKeyからコードを借りて来ています。
つまりマイナーキーから借りてきたコード。
「D♭m」のⅦですね。7番目のダイアトニックコードかな。5番目だけでなく7番目もドミナントになるらしい。
(ちなみに7番目のドミナントは、トニックに進む性質はあまり強くないとの事。)
なのでまぁ、「G♭△7 → B7」の所は「D♭メジャースケール(つまりG♭リディアン)」と「Bミクソドリアン」でいいかと。
やはり慣れてきたら、B7でリディアン♭7を使いましょう。F7のオルタードフレーズもハマります。
また意味不明なコード進行「F#m → D7 」。
これも一体なんのキーなのやら(笑)。
「F#m → D7 」すごいですねー。見た事ないコード進行。
で、これもたぶんですけど、「E」に転調しています。そう考えると上記の理論と同じになります。
つまり、ダイアトニックのⅡm(2番めのサブドミナント)と、マイナーキーから借りてきた7番目のドミナントマイナー(借用和音)。
なので「Eメジャースケール(F#ドリアン)」と「Dミクソドリアン」がハマるかと。
慣れて来たら、D7もリディアン♭7で。ラが♭になるとめっちゃオシャレです。
さらに意味不明なコード進行「Gm → E7」
結局ですね、これも理屈は同じかなと。
「F」に転調していると考えると、Ⅱmとドミナントマイナー(借用和音)です。
なので「Fメジャースケール」と「E♭ミクソドリアン」がハマるかと。慣れたらやはりリディアン♭7。
あとAm、D7・・・もありますが、そこは説明不要かと思います。まぁ前半はGメジャースケールですね。もしくは、Fキー定番進行の3、6、2、5と考えてもいいかも。こっちだな。
イパネマの娘のコード進行と使用スケール さいごに
最近この曲のアドリブが出来るようになって来ました。
Bセクションは、難しいコード進行ではありますが、同じスケールで2小節弾けるのはいいですね。慣れるとアドリブしやすいかも。
ではお互いがんばりましょう。